space彩
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2014/06/22 Sun  14:36:26» E d i t

『皆月』1999年。

アキラ(北村一輝)には、暴力やレイプといった激しい場面でさえ軽妙さと純真さが垣間見える不思議さがある。
自分の切り落とした指をあっけらかんと「オレの」と義兄に見せに来たりする。
軽い言葉のはしから何かなげやりな悲しさがこぼれ落ちているような…。
やっていることはエグイのに可愛いし。
まぁなんにしてもいい意味でキレている。
そりゃもうキレッキレ。
以前唯一難点だと感じた声も、このアキラには本当にぴったりだった。

アキラが警察に自首した時に振り向いたその顔が切ない。
なんていう表情をするんだろう。
もうそれだけで泣かされる。
その後それが実の姉を愛していたからだとわかって、それまでのアキラの行動のあれこれがそういうことがあったがためだったのかと合点がいく。
対比する色々なものが同居するアキラという役はこの上なく魅力的で、そんなアキラを体現しえた15年前の北村一輝という役者に改めて惚れた。
彼はこの作品で多くの賞を受賞し、これをきっかけに役者として認められていくことになる。

作品自体は情感漂う音楽もいいし他の登場人物もそれぞれにキャラが立っていて秀作だと思うのだけど、正直そこまで見せてくれなくてもいいと思うセックスでの描写はある。
原作の文字をどう映像化するかに拘った結果なのかもしれないけど、あそこまでは要らないなぁ…。
望月六郎監督と主演の奥田瑛二さんお二人の対談を聞いていても、「レアリズムと虚構が交錯するところがある、それが映画の面白みだ」という話は納得するにしても、映像化という点で普通は出来そうもないことを「してやった」という自己満足な感じを受けてしまったのも確か。



そしてそれから13年後の作品『ナイトピープル』

なんか、いらいらしてしまった。
慧子(若村麻由美)は美人でやたら漢前でカッコイイ。
葛西(三元雅芸)のアクションのキレもイイ。
曾根(杉本哲太)のねちっとしたいやらしいさも悪くない。
どこか大人になりきれない信治という役も北村一輝に合ってはいるだろう。
それぞれの要素はそれなりにあるんだけど、結局活かしきれずに話が進むに連れてどんどんだらけていく感じ。

そもそも知的美女の設定らしい萌子(佐藤江梨子)が、むしろ馬鹿っぽくて男を手玉に取るタイプに見えないと思うんだけどなぁ…。
信治にしても洞察力はあるのに対応が抜けてて、よくそんなんで過去捕まらなかったなと。
信治と萌子の関係も軽くてあまり感じるものがない。
もう惚れた同士のはずなのに、撃たれた信治を放って金持って逃げる萌子もたいがいだけど。

信治はあんなに慧子に釘刺されていたのに、萌子と関係して萌子とグルだった曾根に過去の2億円強奪の犯人に仕立てられて、その筋の人たちから命を狙われるようになる。
慧子の経営するペンションに2人で逃げこんで、ペンションの支配人?まで2人のために銃撃戦やって命落とし、慧子も足を撃たれたのに、札束のお陰で助かりましたってオチのためにラストシーンまで信治を登場させないとかそういうご都合主義であちこちリアリティが崩壊しているのがなんとも…。

皆月のアキラがあれだけハチャメチャやっても最後の最後で実の姉への思いを露呈して、「アニキ、ごめん」と悲しい表情で義兄に伝えたことで、全てのことがリアリティを持って胸に迫って来たのとは真逆。
いくら信治の笑顔が極上でも、あれはだめだわ…。
だいたいファイヤーダンスが間々に挟まってくるのはなんで?
それが一番の謎といえば謎…(^^;。

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