space彩
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2014/10/11 Sat  18:36:21» E d i t

1300頁もの大作で、さすがに読み終えるのに時間がかかったが、短い章立てで読みやすく、またどの話も面白くて全く飽きることがなかった。
それぞれの武将やその家臣に様々なエピソードがあり、タイトルの通りにそれらが関ヶ原に向かって集結していく。
家康も三成も人間臭く、愛すべき人物として描かれている。
短期間で東軍勝利に終わった合戦も、むしろ最初のうちは西軍優勢の場面が多く、家康はその様子に逆上したり取り乱したりする。
対して、おおよそ戦が苦手だった三成が熾烈な戦いの中で覚醒して急に戦いが怖くなくなる。

その家康や三成の視点からの人物描写も面白い。
ことに上杉景勝がなんとも颯爽と清らかで、秀吉はじめ多くの武将から好意を持たれているのがいい。
家康なんか、もうまるで隠れファンのよう。
関ヶ原後も家康と闘った男として大人気。うふ。
著者には景勝主役の小説を書いて欲しかったなぁ。

関ヶ原後に米沢に減封されたその年に、京邸において漢和連句会が催されたとある。
調べてみると12月に兼続邸においての和漢連句の会や、次の年の1602年に亀岡文殊で家臣たちを励ますための歌会もあったようだ。
家康に屈しなかったところはもちろんのこと、こういった精神的な余裕というのか気質の良さが私が景勝時代を好きな理由。

歌といえば、幽斎が実は歌詠みの弟子だった秀吉が自分を超えたことを秘密にしていたというのも面白かった。
愛児鶴松が夭折し、次の年に母天瑞院が没してから、秀吉の歌は飛躍的に進歩する。
恐らくはそこには権力者ならではの苦悩などもあったろうと思う。
技術の幽斎は創作者として秀吉に対して感じた屈辱を誰にも話すことがなかったというお話。

島津の話での締めも洒落ている。
島津が薩摩に戻って三百年後に大爆発した。まるで桜島のようだという話に及び、次に島津が大爆発するのは三百年ほども経ってからであろうという家康と直政とのやりとりがある。
家康は縁起でもないと思いながらも、三百年あれば徳川の世は少なくとも十四、五代は保つだろうと思い直すのだった。


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