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2015/01/19 Mon  22:53:40» E d i t
 » 『戦国繚乱』髙橋直樹 

「城井(きい)一族の殉節」「大友二階崩れ」「不識庵謙信の影」の三編を収録。

いずれも面白かったのだけれど、やはりなんといっても景勝ファンとしては「不識庵謙信の影」が良かった。
話は謙信が倒れるところから始まり、御館の乱へ。
不器用で優しく全く頼りない喜平次(景勝)が、与六(兼続)の策略により謙信の強さの象徴であった車傘と黒い木綿胴服を着けて戦に臨むうちに、謙信のように変わっていく。
喜平次にとっての謙信は常に不吉な影でしかなったとあるが、その影により喜平次は跡目争いに勝利したとも言える。
餌付けしていた猿との別れに、父や妹に対する感傷を捨て去り謙信のように冷徹にならなければならないという決意をだぶらせる。
喜平次の変わっていく様が丁寧に描写されているが、中々に辛い。

「城井(きい)一族の殉節」は、黒田官兵衛・長政により、九州の名門城井一族が滅亡に追い込まれる話。
冒頭の平和な田園風景の中での小鶴姫と小吉、それに百姓親子の様子がなんとも悲しく切ない最後に繋がる。
城井鎮房、弥三郎朝房と小鶴姫の誇り高い最期がやっぱり辛い。

「大友二階崩れ」は、豊後国大友館で起きた大友義鎮の家督継承を巡る内乱で、結構有名な話らしいのだけれど私は今回初めて知った。
大友義鑑(よしあき)の子・塩市丸を産んだ愛妾が正室になり、義鑑は五郎義鎮(よししげ)を廃嫡し塩市丸を世継ぎにしようと画策する。
ただ世継ぎとして生を受けた義鎮は、幼い頃父に抱かれた記憶もない。
義鎮は父が亡くなってはじめて生前の父の表情が自分に似ていたことに気づき、義鎮が自分の正室に対して抱いている憎悪が恐らくは父と同じであったことを悟る。
義鎮の孤独感が悲しい。

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