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2015/09/13 Sun  19:41:06» E d i t
 » 『国境』黒川博行 

疫病神シリーズの第2弾。
二宮は斡旋した中古重機の代金を踏み倒されて斡旋先の企業舎弟から追い込みをかけられ、桑原は架空の投資話に乗せられて詐欺にあった組の若頭島田に命じられ、1人の詐欺師を追って北朝鮮に飛ぶ。
巻末には北朝鮮に関しての参考文献がずらりと並び、北朝鮮の国内事情や貿易等に関しての専門家による協力、現地取材や資料収集など北朝鮮という国を描写するにあたっての大変さが伺えます。
北朝鮮での話は、常に監視される自由のない恐怖を伴ってじりじりとした緊張感の中で進んでいきます。
まるで本当に見てきたような色のない風景、経験してきたような恐怖、やりきれない怒り。

そんな不自由な国でも桑原と二宮の悪態をつきあう会話は面白いのです。
桑原は平壌でゴロツキの黄とサシのステゴロ(素手の喧嘩)で決着をつけることになり、それがきっかけで黄は後に桑原たちの協力をすることに。
この黄と通訳の柳井、それに中国経由から北朝鮮へ密入国する桑原と二宮の案内人になる李は、もちろん金のために動いているのですが、それだけでは到底出来ない所まで踏み込んでいきます。
理不尽だらけの国の状況には怒りを爆発させる桑原とこちらも同じ気分になるのですが、そんな国にもあくまでもおとこ気を通そうとする黄の存在があることに救われる思いがします。
それは最後まで案内人の責務を果たそうとする李にも、自分の命を顧みずに仲間を助けようとする桑原にも言えることなのですが。
そこへ行くと、二宮は自分の危機は桑原に助けられているのに、銃撃されて病院で動けない桑原を置いて金を持ち逃げしようとするあたりがとても俗っぽいんですけど、だからこそ桑原との対比があっていい凸凹コンビなんでしょうね。

日本に戻ってからの真相究明の過程もハラハラドキドキの連続で、とにかく飽きることがありません。
最後は桑原が粋なところを見せた李との再会に、二宮の視線を通してじんときてしまいます。
あれだけの北での緊迫感があってこそのこのシーン。
好きだわ~。

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