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2015/10/19 Mon  21:15:44» E d i t
 » 『螻蛄』黒川博行 

疫病神シリーズ第4弾は巨大宗派に絡む話。
今回は東京も舞台となり、このシリーズで東京言葉というのにはちょっと違和感を覚えつつも、新宿二丁目やら銀座コリドー街やら知っているところがあちこち出てきてそれだけでなんだか嬉しくなってしまいます。

イケイケで切れ者でよく喋る桑原さん、「家では借りてきた猫みたいにおとなしい」と愛人の真由美が二宮に話します。
リビングに寝転がってよく経済書や金融、法律の本を読んでいるそうで。
真由美が桑原は家では無口だというので、「ひとは見かけによらんもんですね」と二宮が言うと、「あの人、外では違うんですか」と真由美。
表とは全く違う借りてきた猫な桑原さん萌え(^^;

それもこれも、桑原=北村一輝のイメージで読んでるからですけどね。
ああ、それなのに…。
今朝がた布団の中でスマホ見ていて目に飛び込んできたのは…

「佐々木蔵之介&関ジャニ・横山裕ダブル主演!直木賞受賞作「破門」映画化」

うそや~~~(T_T)

猫侍の斑目久太郎のように、桑原保彦も北村さん以外はありえないと思ってました。
相当に凹みましたけど、決まってしまったものはもうしょーがない。
気持ちを切り替えてドラマ続編というのを考えてみると、『破門』はもう前作でやっちゃってるんですから続編を作るにはノープロブレムじゃないですかっ。
『国境』は無理としても、『暗礁』にこの『螻蛄』もいけます。
スカパー!さん、ドラマ続編を是非ともお願いします!

2015/10/15 Thu  22:42:55» E d i t
 » 『暗礁』黒川博行 

疫病神シリーズ第3弾。
登場人物が多すぎて、少し整理せねばと思っているうちに北村さんの舞台突入ですっかり間が開いてしまい、更に記憶が曖昧になりまして…。
相関図を書きながらもう一度読みはじめたものの、これがなかなか大変な作業でした。
それでもこういうことをやり始めてしまうと熱中してしまうものだからすっかりこの2日間は寝不足です…。
最後はさすがにちょっと力尽きていい加減になってしまったので、まだ納得はいかんのですけど(^^;

話は佐川急便事件が元になっているそうで、大手運送会社の巨額の裏金やまともでない金の流れが警察やら暴力団やらが絡んであちこちに。
そこにシノギの匂いを嗅ぎつけた桑原が動き出し、二宮も巻き込まれていきます。
この話を端的に言い表していると思われる会話。

「リスクマネージメントの難しい企業はどないするんです」二宮が訊いた。
「警察から天下りをとるんや。極道に食われんようにな」
「さんざっぱら食い荒らしたあとに、今度は利権漁りの議員どもにが食いに入る。骨までしゃぶり尽くす棲み分けができとんのや」
「おれ、腹が立ってきましたわ」
セツオがいう。「汚すぎやないですか」
「おまえも一端のゴロツキなら、そういう不条理を乗り越えてシノギをせないかんのや。女のパンツばっかり覗いている暇はないんやぞ」

桑原は勢いばかりではなくちゃんと計算で動いているし、機転の良さで数々の危機を回避していきます。
二宮は二宮で結構したたかでやる時きゃやるって感じ。
それでも遂にやりあったヤクザの関係筋に桑原が攫われてしまうのですが、二宮は若頭の嶋田に助けを求めてすんでのところで救出されます。
しかし嶋田が出張ったことで桑原のシノギは組のシノギになり、稼ぎが半分に減ってしまった桑原は二宮に毒づく。
「おまえはいつもいらんことをするんや」
二宮がそれを「はいはい」と受け流しているあたりが、この2人の関係をよく表しているかと。

しかし、私の脳内では完全に桑原=北村一輝で再生されているので、なんにつけカッコイイしハラハラドキドキで、このシリーズ楽しさ倍増なのですわ(^^)

暗礁人物相関図

2015/09/13 Sun  19:41:06» E d i t
 » 『国境』黒川博行 

疫病神シリーズの第2弾。
二宮は斡旋した中古重機の代金を踏み倒されて斡旋先の企業舎弟から追い込みをかけられ、桑原は架空の投資話に乗せられて詐欺にあった組の若頭島田に命じられ、1人の詐欺師を追って北朝鮮に飛ぶ。
巻末には北朝鮮に関しての参考文献がずらりと並び、北朝鮮の国内事情や貿易等に関しての専門家による協力、現地取材や資料収集など北朝鮮という国を描写するにあたっての大変さが伺えます。
北朝鮮での話は、常に監視される自由のない恐怖を伴ってじりじりとした緊張感の中で進んでいきます。
まるで本当に見てきたような色のない風景、経験してきたような恐怖、やりきれない怒り。

そんな不自由な国でも桑原と二宮の悪態をつきあう会話は面白いのです。
桑原は平壌でゴロツキの黄とサシのステゴロ(素手の喧嘩)で決着をつけることになり、それがきっかけで黄は後に桑原たちの協力をすることに。
この黄と通訳の柳井、それに中国経由から北朝鮮へ密入国する桑原と二宮の案内人になる李は、もちろん金のために動いているのですが、それだけでは到底出来ない所まで踏み込んでいきます。
理不尽だらけの国の状況には怒りを爆発させる桑原とこちらも同じ気分になるのですが、そんな国にもあくまでもおとこ気を通そうとする黄の存在があることに救われる思いがします。
それは最後まで案内人の責務を果たそうとする李にも、自分の命を顧みずに仲間を助けようとする桑原にも言えることなのですが。
そこへ行くと、二宮は自分の危機は桑原に助けられているのに、銃撃されて病院で動けない桑原を置いて金を持ち逃げしようとするあたりがとても俗っぽいんですけど、だからこそ桑原との対比があっていい凸凹コンビなんでしょうね。

日本に戻ってからの真相究明の過程もハラハラドキドキの連続で、とにかく飽きることがありません。
最後は桑原が粋なところを見せた李との再会に、二宮の視線を通してじんときてしまいます。
あれだけの北での緊迫感があってこそのこのシーン。
好きだわ~。

2015/08/29 Sat  22:20:15» E d i t
 » 『疫病神』黒川博行 

BSスカパー!のドラマ『破門(疫病神シリーズ)』が面白かったので、疫病神シリーズを全部読んでみたくくなりまして、順番にということで『疫病神』から。
ドラマは『破門』というタイトルながら、前半はこの『疫病神』の話でした。
なので、登場人物のほとんどが映像化されて頭にインプットされているので、読みながらイメージしやすかったし、ごちゃごちゃした相関図もだいたいは把握できていたので割とすんなり。
特に桑原と二宮のコンビは、完璧なまでに北村一輝と濱田岳で脳内再生余裕でございました。

その桑原と二宮の2人のやりとりがテンポよく、関西弁だからこそかコミカルでもあります。

「腹減った。朝飯や」
「喫茶店でも行きますか」
「わしはな、パンというやつが大嫌いや。トーストにゆで卵てなもんは犬の餌じゃ」
「そのくせ、コーヒーは飲むやないですか」笑ってやった。
「じゃかましい。コーヒー好きの犬がおったら連れてこい」

こんな調子でやりとりがとにかく面白いんですよね。

産廃場の利権に群がる政治家、ゼネコン、ヤクザ。
登場人物はワルばかりで、桑原と二宮にしたって金のために動いているだけ。
死ぬような目にあわされてボロボロになる二宮も、二枚舌でその場その場を凌いでいく結構タフな男です。
ヤクザの桑原は、頭は切れるし喧嘩もめっぽう強いし、しかもスタイリッシュ。
桑原が格好よくて魅力的であるからこそ、二宮の個性も引き立っているのだと思います。

2015/08/22 Sat  22:38:11» E d i t
 » 『群雲 賤ヶ岳へ』岳 宏一郎 

『群雲 関ヶ原へ』が諸大名の視点で関ヶ原が生き生きと描かれたのがとても面白かったのでそんな感じを期待したのですが、こちらは元々のタイトルが『軍師 官兵衛』ということで全く違いました。

てなわけで官兵衛の話なんですけど、荒木村重の存在感が大きい。
美しいたしに恋い焦がれ、そのたしを妻としている村重に対しても尊敬の念を抱く官兵衛。
何故にそこまでというほどこの官兵衛は村重に対して友好的、というか好意的。
有岡城の戦いでは長引く籠城戦に次第に疲弊していく様子が、牢の中にいる官兵衛に語りかける村重の口を通して描かれます。
信長が狂人であると糾弾する村重は、半ば以上天下一統を達成した信長は既にその生まれてきた使命を終えたがゆえ静かに消えてゆかねばならぬとその死を予言するのですが、そういう役回りをこの小説では村重が担っています。
なんか格好良いんですよね、村重が。
官兵衛は死ぬ数日前に病床に村重の子である岩佐又兵衛勝以という絵師を呼んで、寿像を描かせます。
その絵から村重の声を聴き、過分の報酬を与えてたしが生んだその青年に別れを告げます。
どんだけ村重&たしラブな一生だったんですかね(笑)

官兵衛は、上杉討伐に行く長政に「石田挙兵を知って内府は心からほっとするだろう」と言います。
それは「上杉と闘わずにすむからだ。闘えば負けるだろう」ときっぱり官兵衛に言わせる岳さん、やっぱり景勝贔屓なんでしょうかね。
そんなとこでにやりとしてしまう私、やはりとことんミーハーですわ。
もっと景勝公を~w
そんな本、他にないでしょうかね?